この記事では、高専生(理系)が文系学部に編入学(文転)した方法と結果と想いについて書いています。
高専時代の友人たちが就職や工学部への編入、そして専攻科への入学という選択をとる中で僕は文転編入を目指しました。
難しいことや分からないことがたくさんあったけど、今は無事編入できて、大学生活を楽しく送っています。
この記事では、以下についてまとめています。
- 僕が文転編入を考え始めた理由と受験結果
- 高専(理系)から文系学部に編入学する方法
- 実際に編入したみた感想
- 文転編入を目指す高専生への想い
この記事を通じて、少しでも文転編入のハードルが下がることを願います。
もくじ
理系の高専生(理系)が文系学部に編入学(文転)した理由と受験結果
ま僕が文転しようと思った理由と受験結果について書いていきます。
留学で人生変わって文転編入を考え始めた。
留学を機に文転編入を考え始めました。
もともと「柔道部の先輩に誘われた」という理由だけ高専を受験した僕は、学科21人中16位で合格。
「勉強つまらないぜ!!」、「でもやりたいことも特にないぜ!!」みたいな感じでかなり適当に過ごしていました。
「3年で退学して大学受験しよう。」なんて考えていましたが、当時の僕にはそんな決断力もなく。。
そんな中なぜか気が向いて3年春にマルタ留学にいくことに。この留学で僕の人生が180度変わりました。
出会った人々がみんな輝いていたんですよね。自分の人生は自分で彩るものだと気がついて。自分が本当にしたいことを考え始めたのがそもそものきっかけです。
高専から文転編入しようと決めたわけ
留学から帰ってきた僕はガラッと変わって煮えたぎるエネルギー。人生のことを真剣に考え始め、ほぼ本なんて読んだことなかったけど、読書し始めたり。
自分と向き合う中で見えてきた2軸が「教育」と「国際交流」。英語の先生になって、生徒の人生を変えてやろう!なんて意気込むようになっていました。
就職という選択肢もあったけど、三菱○機のインターンに行って際に流れ作業を1週間もやらされて意気消沈。絶対にこんな人生は送らないと決めました。
工場のライン作業に1週間アサインされ、流れてくる製品の塗り残しを手でひたすら塗り続けるという作業でした。しかもこれを1週間まるまる。
文転編入受験の結果
9月・12月と2つの国立・公立の大学に落ちて、3月にギリギリ偏差値50の私立大学に合格。
完璧な望み通りとはいかず、2つ落ちたときは自分の人生や努力を否定されたような気がして。。2月とかはかなり病んでたかも笑
それでも最後の最後になんとか受かって良かった。
僕は結果的に文転受験は失敗であり、成功だったかなと。今の人生には全く後悔していないけど、正しく勉強していたら、最初に目指していて大学に合格できていたかもしれないとは思う。
高専生(理系)が文系学部に編入学(文転)した方法
ここからは僕がどうやって、編入を先を探したのかについて書いていきます。
当時はネットにも文転編入の情報がほぼなく、さらに、周りの誰もが何も知らないという状況でのスタート。
自分が実際に使った方法に合わせて、自分が知りたかったなという情報やこうすればもっと受かる確率あげれたやろなみたいな観点まとめていきます。
【高専生(理系)が文系学部に編入学(文転)した方法】
- 編入の目的・大学に求めるものを明確にする
- 希望する条件に合う大学を先例から探す
- 編入できる大学を自力で探す
①:編入の目的、大学に求めるものを明確にする
まずは、編入の目的、大学に求めるものを明確にしましょう。何が一番大事で何なら妥協できるのか。学部の名前に惑わされずカリキュラムは要確認。
大学に求めるものを決めましょう。
- 大学は国公立か、最悪私立でも妥協できるのか
- 東京かそれとも地方で良いのか
- 教職など資格をとりたいのか
大学は国公立か私立のどちらを目指すか。国公立は学費が安く、偏差値が高く、倍率も高めで、私立に比べると選択肢は多くないです。
国公立に落ちた時に、私立に入るという選択肢を取れるのか取れないのかということも含めて考慮すると良いと思います。
地方でも良いのか、都心に出たいのかも僕の中では重要な選択でした。関東にチャンスはあるとなんとなく思っていたので、関東圏に出たいという想いが強かったです。
ちなみに、僕が求めていた編入先はこんな感じ。
- 教員免許が取れる大学
- 国際交流が学べる大学
- 高専からの編入を受け入れている大学
次点で、
- 関東圏にある大学
- できれば国公立
- TOEICスコアが英語試験の代わりになる
というような感じです。この6つの条件を叶えてくれる大学はあるのでしょうか。
②:希望する条件に合う大学を先例から探す
自分で0から探す前に、まずは希望する条件に合う大学を先例から探しましょう。
- 学校に送られてくる募集をチェック
- 先輩が進学した先をチェック
- ネットで他の高専生の進学先をチェック
まずは、「高専に送られてきている募集をチェック」しましょう。
工学系学部以外の募集要項なんかも意外と大学に届いていたりします。進学資料を舐め回すようにチェックしましょう。
次に、「自分の高専の先輩の進学先をチェック」しましょう。
僕の所属していた高専では、過去数年分の先輩の編入先を確認できました。過去に異分野へ転進している先輩がいれば、記録に残っているかもしれません。
先生や専攻科の先輩に聞いてみるのもありですね。
さらに、「ネットで他の高専生の編入先をチェック」しましょう。
最近は結構色んな情報が落ちています。実際に編入した人がいれば、連絡をとってみてください。Twitterでもいいし。そういう人は情報を持っていることが多いです。
- 学校に送られてくる募集をチェック
- 先輩が進学した先をチェック
- ネットで他の高専生の進学先をチェック
それでも希望に叶う大学がない場合は、自力で探し出しましょう。
③:編入できる大学を自力で探す
まずは文転編入できる大学を一覧から見つけましょう。
ここに名前が載っている大学と学部は、とりあえず去年までは編入試験を行なっていたことが分かります。気になる大学があればどんどんリストアップしていきましょう。
外国語系であれば神田外語学院など、専門学校や編入予備校のHPには合格実績が載っています。同じ系統の専門学校や編入予備校などの進学実績を確認するべき。
教員免許などの資格をとりたければであれば、文科省のHPに免許が取れる大学の一覧があります。編入可能な大学の一覧と照らし合わせて、リストアップしていきましょう。
僕は編入試験行っていて教員免許が取れる大学を全てリストアップして編入試験の条件や日程をエクセルにまとめました。
【高専生(理系)が文系学部に編入学(文転)した方法】
- 編入の目的・大学に求めるものを明確にする
- 希望する条件に合う大学を先例から探す
- 編入できる大学を自力で探す
文転編入できる大学を探すときに気をつけるべきこと
次は文転編入できる大学を自力で探すときに気をつけるべきことについて。
- 編入試験の内容・時期・倍率
- 単位は「一括認定」か「審査認定」か
- 編入年次は3年?2年?それとも選択?
- TOEICが必要?それとも参考程度?
- オープンキャンパスと費用について
- 編入試験のライバルは誰か?
順に解説していきます。
編入試験の内容・時期・倍率
編入試験の内容・時期・倍率等は各大学によって全然違います。
編入試験の日程はバラバラです。理系の編入学試験より比較的遅め。6月に試験がある大学もあれば2月に試験がある大学もあります。
第一志望の日程が必ずしも早いとは限らないので、日程も考慮して希望の大学候補を出しましょう
また、前年度に編入試験が行われているからといって、今年も編入試験が行われるとは限りません。中止になる場合があります。
中止になる場合はHPに書かれてあることが多いので確認してみてください。
試験は以下のパターンがほとんど。
- 英語試験 or TOEICスコア
- 面接
- 小論文
小論文があったりなかったり。
他にも志望理由書は大体必要。また、活動報告書的なのを事前に提出する場合もあります。
編入試験の倍率はまちまちですが1.5倍-10倍とかくらいまであります。
編入試験は受験人数が少ないので、一人合格者が減ると倍率が跳ね上がります。倍率を参考にしながらも、母数も確かめておきましょう。
単位は「一括認定」か「審査認定」か
単位認定の形態はどのようになっているか確認しておいてください。単位認定の形式は各大学によって異なりますが大きく分けて「一括認定」か「審査認定」の2種類です。
「一括認定」は編入と同時に無条件に定められた分だけの単位が認定されます。よくあるのは2年次編入で30単位、3年次編入で60単位分の認定というのが多かったです。
文系の大学生って年に40単位くらいとるので少し少ないところからのスタートになります。
「審査認定」は高専で学んだ科目が、審査を経てその大学の科目に置き換えられるものだけ単位として認定される形です。工学系の単位はほとんど認められないのでは無いでしょうか。
経済学部等であれば数学関連のものは認められるかもしれません。
僕は一括認定だったために審査に関しては聞いたり、調べたりしたものです。
また、審査に関しては2通りあって、試験の前に審査がされて結果を教えてくれる大学と、入学後にしか分からない大学あります。
編入年次は3年?2年?それとも選択?
3年次編入がほとんですがたまに2年次編入のみしかなかったり、選べたりする場合があります。
また、3年次編入が可能であっても実質的に単位認定と取得の関係で留年せざる負えないケースがあるそうなので、要確認。
TOEICが必要?それとも参考程度?
TOEICのスコアが必要だったり必要じゃなかったり。
- 一定以上のスコアを持っていないと受験できない大学
- TOEICのスコアが英語試験の点数に換算される大学
- 参考程度に提出を求めれる大学
編入試験の要綱に書かれているので、しっかり確認しておきましょう。
TOIECを活用してる大学の情報はTOEICの公式HPに載っているので合わせて確認しておきましょう。
オープンキャンパスと費用について
大学を見るためにオープンキャンパスに行こうと思うとそれなりの費用がかかります。
なので早めに大学を決めてオープキャンパスにいきましょう。
編入試験の面接で聞かれるかもと思うと一度は大学を見に行っておくのがアンパイ。
編入試験の面接があるなしに関わらず、僕は大学を目でみて確かめたかったので3大学のオープンキャンパスに行きました。
受験費用や宿泊費、交通費等を考えると結構な額がかかってきます。費用の観点も踏まえて、いくつの大学を受けるのかを考えてみてください。
編入試験のライバルは誰か?
編入試験のライバルは誰かを把握しておきましょう。
編入先の学部によりますが、外国語学部だと編入した仲間は全員が外国語系の専門学校の人達でした。専門学校で英語とかを2年間学んできた人達との戦いです。
異分野から編入することの強みを明確にしておかなければなりません。
- 編入試験の内容・時期・倍率
- 単位は「一括認定」か「審査認定」か
- 編入年次は3年?2年?それとも選択?
- TOEICが必要?それとも参考程度?
- オープンキャンパスと費用について
- 編入試験のライバルは誰か?
高専生(理系)が文系学部に編入学(文転)した感想
ここからは実際に文転してみて思ったことを綴っていこうかなと。
- 女子の数が32倍wwウヒョヒョヒョww
- 大学生活・勉強がスーパー楽しい
- 理系&文系の学びは融合できるんじゃね?
- 文転した高専生はめずらしい
女子の数が32倍wwウヒョヒョヒョww
文転して、女子の数が32倍になりました。
高専時代はクラス40人中1の女の子だったのが、今は40人中32人くらいになりました。
ウヒョヒョヒョww
大学生活・勉強がスーパー楽しい
大学生活が超楽しいです。大学生みたいなキラキラした生活を送るってわりと憧れwwでもあったので最高!
それと、勉強がめっちゃ楽しくなりました。ずっと学びたかった国際交流と教育の2本柱で学べているので、楽しくてしょうがありません。
理系&文系の学びは融合できるんじゃね?
文転するということは一旦は専門性を諦めるということでもあります。だけど反対に工学×教育×国際交流みたいな感じで、アイデアがでてきたり。
英語×EdTechとかめっちゃ熱いですよね。例えば教育学、国際関係、工学の3つを合わせたとすると、異文化理解教育のためにアプリを作ろう!とかいう視点に立てるわけです。融合を考えるのは楽しいです。
5年間学んできたものを深めないという選択肢はなかなかハードです。高専を出てからも工学を引き続き勉強している友達を見ると専門知識凄くてすげえってなります笑
文転した高専生はめずらしい
学内・学外を問わず、「高専から文転しました」というとかなり珍しがられます。面白いねってなって話が広がります。
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- 理系&文系の学びは融合できるんじゃね?
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https://hatakenblog.com/life-of-transfer-student/
高専(理系)から文系学部への編入(文転)を目指す方へ
高専(理系)から文系学部への編入(文転)を目指す方へ。
- 自分との戦いである
- 高専生、地頭良いから英語もいけるよ!
- 親・先生・友人との関係
自分との戦いである
「文転編入」は自分との戦いです。
「周りと違う選択をする」というのは未知で怖いかもですが、勉強や対策を始める前に理由や目的を自分なりに落とし込んでおくと精神的に余裕がでます。
友人たちが続々と就職が決まり、編入の推薦の試験に受かっていく中でもあなたなら、戦えるはずです。
大企業への就職、国公立大学工学部への編入という選択肢よりも幸せな結果を掴み取りましょう!
高専生、地頭良いから英語もいけるよ!
大学や編入年次によって異なりますが、TOEICスコアは500点-800点が求められます。
僕は外国語学部への編入だったのでTOEICの点数が求められました。
今までほとんど手をつけてこなかった?英語の勉強を頑張ることが求められますが、死ぬ気でやればいける!
僕でも、1日3〜4時間くらいTOEIC対策したら半年で455点から710点になったので、高専生ならいける!
親・先生・友人との関係
周りとの関係もかなり重要です。誰が応援してくれるのか。
前例がないことにチャレンジするのは自分も不安だけど、周りも不安だと思います。人間は不安なものは止めたがりますし。
親が後押ししてくれるかどうかというのが大きいです。
高専の先生は人生の先輩として親身に相談に乗ってくれます。
ただ、先生自身は文転の経験もないし理系畑で生きてきた人が多いことを考慮した方が良いと思います。経済学部以外へ文転編入をする生徒を過去に扱った経験の無い先生も多いです。
周りはみんな進路が早い段階で決まっていきますが、多くの友達は応援してくれますよ!
- 自分との戦いである
- 高専生、地頭良いから英語もいけるよ!
- 親・先生・友人との関係
最後に|高専から文転編入って大変やけど頑張ればいける!
「何事もしぬ気で頑張ればいける!」
ネットにはいろんな意見が出ていて、「高専からの文転編入はできない」や「やめたほうが良い」と書かかれてたりします。
周りからは心配されるかもしれない。大丈夫かと。勿体無くないのかと。
でも、自分の想いを信じて、毎日努力すればきっと叶う!自分の夢を追いかけて続けてほしいです。
いざ編入を目指すとなると勉強を始める前にすべきことがたくさんあります。必要なことは早く効率的に終わらせてしまって、勉強に時間をあててください。この記事がそのための一助になれてたら嬉しいです!!
いま与えられているものを基準にしたりして人生を決めるよりも自分の夢を追いかける方が幸せだと思います。
頑張ってください!