この記事は高専生の卒業後の進路について、進学・就職に分けて詳しく書いています。
高専からの進学といってもざっと分けると異分野学部への編入など、6パターンほどあります。
本記事は、進路について考えている高専生やその保護者の方に向けて書いてます。
この記事を書いている僕は、高専から外国語学部に編入した元高専生です。
参考になると幸いです。
高専生の進路は多様という話
「高専生の進路」と、一重にいってもその詳細は多様であるという話。
例えば、大学編入について、機械科の高専生が大学の機械科に編入するパターンもあれば、数学科や情報科に編入するパターン、経済学部や外国語学部といった畑違い学部など、その詳細は色々。
本記事では、そんな高専生の進路を「編入・就職・その他」に分けて整理しました。
高専生の進路に関する記事を書こうと思った理由
本編に入る前に、高専生の進路に関する記事を書こうと思った理由を一つ。
それは、「高専生の進路には多様な選択肢がある」ということを知ってもらいたいからです。
工学部へ編入したり、大手企業に就職するのももちろん素敵だけど、文系学部への編入やベンチャーへの就職という選択肢があることを知ってほしい。そんな想いで書きました。
ということで、この記事は高専卒業時点での進路の話です。
セカンドキャリアとか編入後の院進とかってなってくると収まりきらないので、また別の機会にまとめたいと思います。
それと、僕の知ってる限りの範囲でしかないので、他にも「こんな進路もあるよー」とかあれば、是非教えてください
高専卒業後の進路①:進学
高専生の卒業後の進路と聞いて、思いつくのは「進学」と「就職」の2つ。
まずは、進学に関して整理していきます。
ちなみに、高専卒業者の進路状況は、就職が約6割、進学が約4割です。
高専卒業後の進路:「進学」の概要
高専生の進路としての進学の形は非常に多様です。
ざっと、分けてみると、6タイプほど考えられます。
- 同系学部へ編入
- 高専の専攻科へ進学
- 異系の理系学部へ編入
- 異系学部へ編入
- 専門学校・短大へ進学
- 大学へ進学
(※ 僕が人数の多いと思う順に書きました)
まあ、あとこれに「国公立か私立大学か」系の分類を加えることもできますが、書くのが大変なのでやめておきます。
ただほとんどの人は国公立大学に進学します。
高専卒業後の進路:「国公立大学の同系学部」へ編入
最も人数が多い進学先は、「国公立大学の同系学部」への編入です。
上から順に、豊橋技科大・長岡技科大をはじめ、千葉大学・農工大への編入者が多いです。
大学 | 編入者数(人)(H29) |
豊橋技術科学大学 | 322 |
長岡技術科学大学 | 301 |
千葉大学 | 81 |
東京農工大 | 70 |
九州工業大学 | 61 |
私国公立大学の工学系学部の多くでは、編入学試験が実施されています。
「高専生の進学」と言われてまず最初に思いつくのは、この「国公立大学の同系学部への編入」ですね。
高専卒業後の進路:「高専の専攻科」へ進学
次に人数が多いのは、高専の専攻科への進学でしょう。
高専界以外にあまり知られていませんが、実は、高専には専攻科というものがあり、高専に5年間通った後もう2年通えるのです。
こちらも推薦・学力の2パターンの試験があり、きちんと試験を突破しなければなりません。
出身高専以外の高専の専攻科を受けることも可能です。
高専卒業後の進路:「異分野の理系学部」へ編入
ここら辺からどんどん絶対数は少なくなっていきます。
高専卒業後に「異分野の理系学部」へ編入する人が一定数います。
例えば、機械科から物理学科へ、情報科から数学科へなど、理系分野を学べる学部への編入ではあるものの、専攻する科目を変えるといったパターンです。
「分野は異なる」が、「理系」という点では同じです。
個人的には、多くはないけど、まあまあいる。といった印象です。
高専卒業後の進路:「完全に異分野の学部」へ編入
高専卒業後に高専で学んだこととはほとんど関係のない学部へ編入する人達です。
僕自身も高専で知能機械工学を学んだ後、外国語学部に編入しました。
一つ上の同じ学科の先輩は経済学部に編入していました。
経済学部では数学的な知識や素養を活かせるので、全く畑違いという訳ではなさそうです。
異分野学部への編入に関して、多くの大学やその学部で編入学試験を実施しており、高専生はほぼ全ての編入学試験を受けることができます。
ということで高専生で編入できる先は割と幅が広いです。
高専卒業後の進路:「専門学校」へ進学
高専卒業後に専門学校へ進学する人もいました。
卒業後に医療系の専門学校へ行った高専生を知っています。
とはいっても、毎年1万人弱いる高専卒業生の中でも数人から数十人といった規模でしょう。
高専卒業後の進路:「大学」へ進学
高専卒業後に大学へ進学することも可能です。
このケースに関して僕の知っている人は残念ながらいませんが、高専3年生が終了した時点で受験資格はあるので、高専で5年間学んだ後に、大学に入り直す人もいるかもしれません。
高専卒業後の進路②:就職
高専生の6割が就職します。
以下に整理していきます。
高専卒業後の進路:「就職」の概要
毎年約5000人ほどの高専生が就職をします。
まあまあな規模の大学の卒業生数くらいはいますね。
就職に関してざっと分けてみると4タイプくらいでしょうか。
- 高専卒業後に大手企業に就職
- 高専卒業後に中小企業に就職
- 高専卒業後にベンチャーに就職
- 高専卒業して公務員
高専卒業後の進路:「大手企業」に就職
高専卒業後は大手企業に就職する人が多いです。
花王・サントリー・旭化成などの大手メーカーには多くの高専生が就職します。
ちなみに2018年度で高専生の就職者数が最も多い会社はJR東海の80人です。
2位以下はメーカーや電力会社などがランクインしています。
ほぼ全ての高専生が上記のような企業群に推薦で就職していきます。
高専卒業後の進路:「中小企業」に就職
卒業生の何割かは中小企業へも就職していきます。
最初から中小企業を受ける高専生もいれば、大手に落ちた後に、中小企業を受ける高専生もいます。
高専卒業後の進路:「公務員」
公務員になる高専生も少なからずいます。
土木系の学科の卒業生が、土木系公務員になっています。
高専卒業後の進路:「ベンチャー」に就職
あんまり聞かないけど、ベンチャーに就職する高専生もいるみたいです。
僕の周りには一切いなかったので、ここら辺の事情はよくわからないです。
ただ、ベンチャーは高専生が愛用する推薦制度がないことが多いので、普通に採用試験を受けることになることがほとんどだと思われます。
LINEとかクックパッドとかのメガベンチャーとか言われる会社でも、高専卒を募集しています。
高専卒業後に「研究生」として高専に在籍
高専卒業後に「研究生」として高専に在籍する高専生もいます。
大学編入の試験に落ちた場合などが主になると思います。
高専生でも多様な進路を取れるんだ!
高専生でも進路は多様な進路を取れます。
周りとは違う進路を歩もうと思った時は、相応の努力は必要になります。
前例に捉われない、自分の人生と進路を考えてみてください!
高専生の中退・休学・起業・ワーホリ・留学
今回は高専卒業後の進路についてまとめましたが、次は高専在学中の休学や留学などについてもまとめてみます。
高専を中退して、異分野に進み成功した人も多いし、いろんな進路のあり方を表に出していけるように僕も頑張りたいと思います。