イベントとプロジェクトの定義と意味を整理し、違いは何かについて考察しました。
「イベントとプロジェクトの違いは何か」という問いに対する僕なりの答えをまとめています。
もくじ
「イベントとプロジェクトの違い」の結論
個人的に思う「イベントとプロジェクトの違い」から先に書きます。
「イベントとプロジェクトの違い」は、
「有期性とライフサイクルの有無、そして本質的な課題解決力の差」である。
また、「『プロジェクト』は有期性を有し、測定・検証などの工程をサイクルさせながら、より本質的な課題解決できる活動であり、『イベント』はその一部として内包される」とも言える。
以下で詳しく解説します。
イベント・プロジェクトの定義・意味
まず、各用語の定義を明確にしておきます。
イベントの定義・意味
イベントの定義・意味について。
goo辞書ではイベントは以下のような意味とされている。
出来事。催し物。行事。
引用:goo辞書
また、日本国語大辞典は以下のような意味としている。
出来事。行事。展覧会、コンサート、見本市などの各種の催し物、また、大きな事件などを広く含めていう。
引用:精選版 日本国語大辞典
つまり、イベントとは、「出来事や行事」であると言える。
プロジェクトの定義・意味
NASAはプロジェクトを以下のように定義している。
相互に関連するタスクから構成され、多くの組織が参画して実施される3年程度以下の期間の活動
引用:Wikipedia
また、プロジェクトマネジメント協会は以下のように定義している。
独自の成果物またはサービスを創出するための期限のある活動
引用:Wikipedia
プロジェクトの特徴
NASAによるプロジェクトの特徴はこうである。
プロジェクトの特徴
- 明確に定義された目標
- 必ず開始時点と終了時点がある
- 永続的でない一時的な組織が担当する
- 1人のリーダ(プロジェクトマネージャ)と複数のメンバーから構成される
- 目的達成のための予算が与えられる
- いくつかの工程から成り立つ
- ライフサイクルの各段階で必要資源が変化する
- 予期できない事態が発生することがある
- 後工程ほど変更・修正の困難度が増す
引用:Wikipedia
上記でほぼ答えが出ているが、これを参考にさらに考えてみる。
イベントとプロジェクトの違いは何か
では、イベントとプロジェクトの違いは何かを考えてみる。
イベントとプロジェクトの違い①:有期性の有無
まず、有期性の有無があげられる。
「プロジェクト」の定義には「3年程度」や「期限のある」などのワードが用いられている。
一方で「イベント」は行事などの単体の出来事をさしている。
これらの観点からすれば、長期的な有期性を持っているものと持っていないものという差がある。
イベントとプロジェクトの違い②:ライフサイクルの有無
イベントとプロジェクトの違いとして、「ライフサイクルの有無」がある。
イベントにはライフサイクルの有無はない。イベントは工程が一つしかなく、サイクルのしようがないからである。
正確には、イベント内での改善活動ももちろん可能であるが、計測された結果や事実に基づいてのサイクルではなく、行動と結果の双方間のやりとりのみに留まる。
イベントとプロジェクトの違い③:本質的な課題解決力の差
例えば、3年計画のプロジェクトの目的とそのための計画に沿って活動をすれば、1つ大きな課題を解決できる。というよりも、本質的な課題を解決するためには、ある程度の年月が必要になる。
イベントを単発的に振り返りもせず、3年間の間に定期的に開催したところで、得られる結果というのは、測ることができない。
振り返りながらゴールに向かうことでのみ目的が長期的に設定されているため、成果の計測をすることができる。
つまり、「プロジェクト」であることのみで、長期の目標に対してアプローチし、そして成果を計測をもって本質的な課題の解決に取り組めるのである。
イベントとプロジェクトの違いは何か
「イベントとプロジェクトの違いは何か」について。
「イベントとプロジェクトの違い」は「有期性とライフサイクルの有無、そして本質的な課題解決力の差」である。
また、「『プロジェクト』は有期性を有し、測定・検証などの工程をサイクルさせながら、より本質的な課題解決できる活動であり、『イベント』はその一部として内包される」とも言える。
イベントはプロジェクトに内包されている
ここまできて、明白なのは「イベントはプロジェクトに内包されている(べきもの)」ということである。
イベントが悪なのではなくて、結局それがなんのためのイベントであるかが明確になっていなければならないし、一日程度のイベントで解決できる問題は本質的ではないということ。
以上です。